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暖かい贈り物
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暖かい贈り物

The Warmest Gift もうすぐ産まれてくる赤ちゃんの準備をしていると、ブルガリアに住む義理の母から沢山の写真が送られてきました。 「おばあちゃんの家にしまってあった贈り物を取りに行ってきた」との事。 そこにはカラフルな毛糸で編んだベビー服がたくさん写っていました。 生前編み物が得意だった夫のおばあちゃんが、私と夫の間にいつか産まれてくる赤ちゃんの為にコツコツと編んでいた物だそうです。 「まだこの世にいない、会ったことのない未来の誰かのために、何かをする… おばあちゃんはいったいどんな思いを込めて編んでくれたのかな?」 今はブルー、ピンク、男の子、女の子と色は関係なく着られるけど、おばあちゃんが編んでくれた洋服は女の子用が多いみたい。おばあちゃんは知っていたのかな? 10月に無事に産まれた女の子。これから寒いエディンバラの冬を過ごすのにちょうど良いね。おばあちゃんの温もりを感じる編み物は、とても暖かい贈り物。 The Warmest Gift My mother-in-law in Bulgaria sent me many pictures wh
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幸せのお裾分け
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幸せのお裾分け

Sharing Happiness 晴れた週末が明けてどんよりした曇り空の月曜日。ランチを買いに出かけようとアパートの階段を降りていくと、そこにはバケツに入った沢山の花が置いてありました。 「ご自由にどうぞ」と張り紙が添えてあり、どうやら1階の住人の方からみたいです。 私はかかえられるだけの花を手に取り、1階の住人のお宅をノックすると、家の中から顔見知りのご婦人が出て来ました。 「こんなに綺麗なお花頂いてもいいんですか?」と私が尋ねると、「息子が週末に結婚して、結婚式で使ったお花がもったいないから持って帰ってきたの」とのこと。「好きなだけもらってね」とニコニコの笑顔。婦人の玄関先にも沢山の花が飾られていました。 私は婦人に感謝をすると早速家に戻って花のアレンジをしました。 色も形も様々で、お花屋さんで整えられたというよりは、庭に生えていた花を摘んで集めてきた様なナチュラルな雰囲気。「きっと結婚式も青空の下でガーデンパーティーだったのかな?」と花を触りながら想像してみました。 きっとご婦人も息子さんの結婚式で幸せいっぱいになり、その幸せを私達にもお裾分けしたくなった
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しなやかな金色の線
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しなやかな金色の線

Gentle Golden Lines 数ヶ月ほど前、私は夫のお気に入りの茶器を片付けようとした際に、宝瓶の蓋を割ってしまい、そのはずみで湯呑みの縁も少し欠けてしまいました。 「どうしよう…」目の前が真っ暗になり、すぐに夫に言い出せずに悩みました。 「そうだ、金継ぎで生き返らせよう!」 近年イギリスでも流行っている金継ぎですが、「エディンバラでもできるかなぁ…」と、不安を募らせながらインターネットで検索。なんと家から徒歩圏内に小さな金継ぎのアトリエを見つけました。すぐに連絡すると、若いポーランド人の男性が相談に乗ってくれました。 「姉が陶芸家で、自分は手先が器用なので、最近金継ぎを始めました」と言って、金継ぎで修復した器を見せてくれました。 丁寧に描かれた金色の線から優しい人柄が伝わってきました。 金継ぎとは関係ありませんが、普段から壊れた物を直すのが得意だそうで、私の知り合いの掃除機や、トースター、スーツケースなどあらゆる物を修理していた事も後から知って驚きました。 そのまま夫の茶器もお預けすることに。 2ヶ月後に戻ってきた宝瓶と湯呑みは、繊細に描かれた金色の線
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形に残す思い出
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形に残す思い出

Preserving Memories 私は小さい頃からどんぐりを見つけたり、草花を摘んだり、小石を拾ったりするのが好きでした。大人になってもイギリスに来てからもそれは変わりません。 旅先でも咲いている花が気になったり、きれいな落ち葉を見つけては拾ってみたりします。それをガイドブックに挟んで家に持ち帰ります。 家には旅先や散歩中に摘んできた草花の押し花や木の実が思い出の形として飾られています。 なぜか写真を見るよりもこっちの方がその時のシーンを鮮明に思い出します。その時の気温や風の様子、誰とどんな話しをしていたか、どんな気持ちだったか。 エディンバラに引っ越して友人に初めて連れて行ってもらったノースベリックという海辺の町では小さな貝殻を拾いました。静かな冬の寒空の下で拾った貝殻。その集めた貝殻で形に残るフレームを作ってみました。あの時浜辺で食べたミンスパイが蘇ります。小ぶりなのにどっしりと中身に入ったフルーツが美味しかったなぁ。 Preserving Memories Ever since I was a little girl, I loved collect
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ダーリンの古着に愛情たっぷりダーニング
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ダーリンの古着に愛情たっぷりダーニング

Darning Darling 私の夫は物持ちがとても良いです。 気に入ったらとことん使い、大事にします。 そのうち情が入って着古しても、お気に入りで捨てられなくなります。 そんな彼には愛用パジャマのズボンがあります。薄い水色で着心地バツグンのスウェットパンツ。聞けば十数年は履いているとの事。たくさん思い出が詰まっているはずです。付き合っていた頃はそのズボンのウエストのゴムがゆるゆるでも大好きで履いていました。引っ越すたびに「このズボンもう終わりじゃない?」とからかうと「取っておく」と大事にしまいます。結婚してからはさすがにそのズボンのゴムを新しく交換してあげました。 そして寒くなると夫は必ず毛糸の靴下を履いて寝ます。暖かく蒸れないでぐっすり眠れるそう。それは彼のブルガリアのおばあちゃんが編んでくれた毛糸の靴下。これもかなり年期が入っています。去年は虫食いで穴が空いてしまいましたがダーニングを習い始めていた私はその靴下を補修してみました。ブルガリアのおばあちゃんが「網目一つ一つに愛情を注いで編んでくれたんだろうな」とおばあちゃんの手の温もりを感じながら私も毛糸に愛情を
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