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春の訪れ
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春の訪れ

The Emergence of Spring 3月、長い冬もいよいよ終わりに近づいてきました。 どこの国にいても、やはり、春は待ち遠しいもの。 夫の故郷、ブルガリアでは、3月に春を迎える大事な行事があります。 ババ・マルタと呼ばれ、直訳すると、「ババ」は「おばあちゃん」、「マルタ」は「3月」という意味です。 ブルガリアのババ・マルタは寒い冬の終わりと春の始まりを告げる神話上の人物だそうで、ババ・マルタは不機嫌な老婆と信じられています。老婆が微笑んでいるときは、天気は晴れて暖かいのに対し、怒ると寒さが長引くという逸話があり、早く春が訪れるように、3月にババ・マルタを祝うそうです。 毎年3月1日はババ・マルタ の日で、健康と幸運を祈って友人や家族とマルテニッツァという赤と白の糸で編まれたブレスレットを交換します。 マルテニツァを身につける期間は決まっていて、春の訪れ、例えば、花のつぼみをみつけたり、コウノトリを見かけたら、マルテニツァを木に結びつけ、健康と幸運を祈ります。 夫の実家からは毎年「お友達にあげて」とマルテニツァのブレスレットがたくさん届きます。 夫はババ
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花と新年
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花と新年

Flowers and The New Year エディンバラで迎える3回目の新年。 今年は秋に産まれた長女と家族3人で新しい年を迎える事が出来ました。気持ちも新たに、庭から摘んだ草花でお花を生けてみました。 ロンドンのお茶の会社に勤めるようになった頃、日本人の生け花の先生に出会い、お茶屋さんのお店で何度か生け花のワークショップを開催していただいた事がありました。 その先生は「お手洗いのような場所でもお花が一輪飾ってあるだけで気持ちが良い」とお話しをしていました。 確かにお花にはそんな不思議な力があります。何気なく飾ってあるお花を見ると、元気が出たり、和んだり、悩んでいた気持ちも一瞬和らいだり。 それはお花の中にある生命力がそうさせるのでしょうか? 生け花のワークショップに参加した人達は人種も様々で、初めて生け花を体験する人ばかりでしたが、それでも花を通じて笑顔溢れるワークショップだったのが印象的です。 2024年、まだまだ不安定な世の中ですが、家の中にお花を飾る人が増えれば、世界が平和に少し近づく様な気がしました。 Flowers and The New
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暖かい贈り物
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暖かい贈り物

The Warmest Gift もうすぐ産まれてくる赤ちゃんの準備をしていると、ブルガリアに住む義理の母から沢山の写真が送られてきました。 「おばあちゃんの家にしまってあった贈り物を取りに行ってきた」との事。 そこにはカラフルな毛糸で編んだベビー服がたくさん写っていました。 生前編み物が得意だった夫のおばあちゃんが、私と夫の間にいつか産まれてくる赤ちゃんの為にコツコツと編んでいた物だそうです。 「まだこの世にいない、会ったことのない未来の誰かのために、何かをする… おばあちゃんはいったいどんな思いを込めて編んでくれたのかな?」 今はブルー、ピンク、男の子、女の子と色は関係なく着られるけど、おばあちゃんが編んでくれた洋服は女の子用が多いみたい。おばあちゃんは知っていたのかな? 10月に無事に産まれた女の子。これから寒いエディンバラの冬を過ごすのにちょうど良いね。おばあちゃんの温もりを感じる編み物は、とても暖かい贈り物。 The Warmest Gift My mother-in-law in Bulgaria sent me many pictures wh
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夏の一目惚れ
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夏の一目惚れ

Love at First Sight This Summer 今年の夏、私はポートベロにあるお店のウィンドウに飾られてあった家具に一目惚れをしました。 あいにくその日お店は定休日。 家に帰っても忘れられないそのチェストは、やや小さめサイズで、表面はクリーム色にペイントされ、暖かみがありました。その上に細い筆で植物が描いてあり、なんだかとても品がありました。 「これをデザインした人センス良いなぁ、いったいどんな人が使っていたんだろう?」 私が特に気に入ったのはイラストの植物が秋のモチーフだったこと。なぜなら私達にとって今年の秋は特別だからです。家族が1人増えるのです。 夫に買うか迷っている事を話すと、「そのチェストは我が家に来る運命なんじゃない?」とのこと。「よし!」私は購入することに決めました。お腹の中にいるその子の事を想いながら。 早速次の日にお店に電話をしてチェストを届けてもらいました。 届いたチェストの引き出しの中に小さな赤ちゃんの洋服を丁寧にたたんでしまいながら、「この子が大きくなってもずっと使ってもらえるように大切にしよう」と、心の中で囁きました。
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時代を超えて愛される台所道具
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時代を超えて愛される台所道具

Timeless Kitchen Tools 先日スコットランドの小さな港町、オーバンへ訪れた際のこと。 「1745 House」 と呼ばれる歴史博物館へ行ってきました。 1745年に建てられたこの家の中には当時の暮らしが再現されていて、特に「The Old Kitchen」と呼ばれる台所の展示には胸が踊りました。そこにはシンプルながら機能的な台所道具や日用品の数々が展示してあり、昔の人が日々の生活の中で「使いやすく便利なもの」を生み出してきた事が想像できます。 天井から吊るされた形が様々な柳の籠、棚に一列に並べられたストーンウエアの保存容器、卵を運んだり保存するために作られた道具。 デザインはどれもシンプルで、ずっと眺めていたい美しいフォルムばかり。時代を超えて素晴らしい「Timeless – タイムレス」という言葉がふさわしい道具は、時代に左右されることなく今でも使いたくなります。 実際に私はチャリティーショップで古い保存用の瓶や容器、カゴなどを見つけるとついつい手に取り、我が家で使ってみたくなります。 毎日ほぼやることが決まっている台所では特に、「普通の
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キャンドルを灯すとき
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キャンドルを灯すとき

Embraced In A Candle Light 夫のブルガリアの実家に帰省すると、いつも元気いっぱいな義叔母が、自分で採蜜した蜂蜜を持って遊びに来てくれます。夫も私もその蜂蜜が大好きです。 エディンバラの家の近所にも蜂蜜屋さんがあり、去年の今頃初めてそのお店に行きました。「叔母さんの蜂蜜の味は…」と思い出しながら沢山の蜂蜜を試食させてもらいましたが、残念ながら同じ味は見つかりませんでした。それでもいくつかお気に入りをセレクト。店主のオススメお手製蜜蝋キャンドルも一緒に購入することにしました。 蜜蝋キャンドルは見た目も可愛いですが、ススが出にくく、お部屋の空気を清浄する効果があるという事で、部屋の料理の匂いがちょっと気になる時にも点灯したりします。 花粉がもたらした天然色の黄色いキャンドルは、ファーマーズマーケットに売っている濃厚なバターを思い起こさせます。 火を灯すと「ぽっ」と優しい光に辺りが包まれます。 エディンバラの冬は長くて薄暗いのが有名ですが、2月の平均日照時間はたったの4時間ほど。太陽の光が恋しくなる季節だからこそ、この暖かい光が一日の疲れを癒してくれま
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植物と暮らす
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植物と暮らす

Living with Plants 私の夫にはとても大切にしている観葉植物があります。 ロンドンに住んでいた頃、新しいオフィスに引っ越した際に買った小さな『インドゴムノキ』です。それまではあまり植物を育てたことが無かった夫はコーナーショップ (日本でいうコンビニ的な役割のなんでも屋) のお店のいちばん奥の暗がりの場所からその鉢を見つけてきました。「こんな暗いところにいても元気そうだから、大丈夫かな」と思って選んだそう。オフィスの机の上に置かれたその小さなゴムノキは毎週金曜日に夫からコップ1杯の水をもらって、すくすく成長。何回か鉢の植え替えをしたり、枝の挿し木を友人にあげたり。今でもオフィスでひっそり夫に寄り添っています。でももう卓上には収まらないので少し遠い場所から。 そして私が大切にしているのは『オリヅルラン』。子株の形が折り鶴に似ていることが名前の由来だそうですが、英名は『スパイダープラント』(Spider plant)といい、こちらも葉の生え方がクモの姿に似ているからだそうです。 数年前にウェールズに住む友人宅に遊びに行った時のこと、その友人が日本の大事な人に株分
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DIYコタツとみかん
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DIYコタツとみかん

DIY Kotatsu and Mikan 私と夫は新型コロナウイルスパンデミックになる直前の年末年始を日本で過ごしました。夫にとっては初めての日本の冬。 私の実家に帰省して夫が驚いたのは日本の家が寒い事!部屋を暖かくしていても廊下やお風呂場がとにかく寒い!イギリスのセントラルヒーティングに慣れている夫は家の中でくつろぐ為に持ってきた部屋着がほとんどTシャツ… 私も日本の冬が久しぶりだったのでそんな事はすっかり忘れていました。夫は急遽、父に大きめのフサフサしたユニクロのフリースを借りて過ごす事になりました。そして和室に置いてあるコタツを初めて体験。ついているテレビが日本語で理解できなくたって関係なく、コタツに入ってずーっと幸せそうにテレビを見ていました。そして、コタツにみかんという最強の組み合わせもここで覚えました。 今年私達は2回目の冬をエディンバラで過ごします。ロンドンの冬も寒いけどもっと北に位置するエディンバラはさらに1-2度気温が下がります。そこで私達は「エディンバラにコタツを置いたらどうだろうか?」と思いつき、夫がインターネットで得意のリサーチ。どうやら日本から輸入
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